日本で栽培されている梨は「和梨」「西洋梨」「中国梨」の3タイプ。梨の種類は豊富で最も食べられている和梨だけでも50種類以上あり、品種ごとに異なる食感や味わいが楽しめる。追熟しない果実ではあるが、10℃前後に冷やすとさらに甘みが増す。8月頭から9月の末頃までが収穫時期とされる。
完熟間近まで、じっくり時間をかけて育てます。
神戸三水園は約22.4ha(甲子園球場の約6倍)の広大な果樹園です。13人の農家で分担して栽培や運営を行っています。私は、3年前から父の後を継ぐために本格的に勉強しています。神戸三水園は、果樹を袋掛けせずに栽培する無袋栽培(むたいさいばい)という方法で梨を育てています。
剪定作業では、処理の仕方によって出来高に影響が出るため、一つずつ丁寧に作業を行います。
袋を付けない分、果実に日光がたっぷり当たり糖度の高い梨に。また、完熟間近になるまで、じっくり時間をかけて樹上で育てます。1番美味しいタイミングで食べて頂きたい思いから、すぐに消費者の手元に届く直売所での販売に力を入れています。
神戸で梨が栽培されていることを、知らない地元の方も多いのではないかと思います。まずは、神戸の方々に知ってもらいたいと思っています。追熟する果実ではないので完熟の状態まで育てて収穫するため、すぐに消費者に届く直売所での販売が8割位を占めています。街から近い場所で栽培はしていますが、神戸産の梨を量販店でほとんど見ないから、神戸の梨を知らない人が多いのだと思います。
だからこそ、1番美味しい状態で収穫した梨を神戸の方に届ける方法を模索しています。
今の梨農家の課題は、後継者が少ないことはもちろん、芯腐れした梨や風に吹かれて落ちてしまった梨をどのように廃棄せずに加工できるかなど、活用方法や販売方法を考えていく必要性があると感じています。今までの文化・歴史の継承と、これからの時代に合わせた農業の確立の両方を考えていかないと課題は解決しないと思っています。
廃棄問題は、活用できる部分を使用した加工品の試作に取り組んでいます。どこの農業も同じだと思いますが、この現状をまずは知ってもらうこと、農業を若い世代に体感してもらって「楽しい」ということや「やりがい」を感じてもらうことがポイントだと思っています。若い世代に刺激をもらいながら一緒に農業ができる日を心待ちにしています。