loading

SDGs
Sustainable Development Goals
持続可能な開発目標への取り組み
イスズベーカリー

株式会社イスズベーカリー
代表取締役 井筒大輔

神戸の農水産物をより認知してもらい、広めていこうというfarms and seaプロジェクトにご参加いただきありがとうございます。これまでにも神戸市のこのような事業には取り組んでこられていますね。

地元企業として積極的に参加しています。少し前では神戸食材フェアも実施されている神戸市経済観光局 農水産課の「KOBE“にさんがろく”PROJECT」の一環で、神戸の学生・農漁業者・企業の三者が手を取り合って神戸の魅力を発信していこうという活動に参加しました。
過去の事業では、神戸いちじくフェアにも参加していました。
他の例もあります。北区や西区ではスイートコーンが栽培されています。そのスイートコーンを初めて生で食べた時に非常に甘く美味しいことに衝撃を受け、神戸フルーツ・フラワーパークで地元の洋菓子店やパン屋さんと一緒に出店イベントを開催しました。

神戸で創業し70年以上の歴史があるイスズベーカリーさんは地元の方に長く愛され、いまや神戸を代表するベーカリーの一つです。神戸の食材を積極的に使っていこうという思いはやはり大きいのでしょうか。

その通りです。店舗は三宮と元町にありますし、これから新しく出店するとしても神戸エリアを中心にと考えていますので、より神戸の食材を使ったオリジナリティのある商品で神戸の魅力を発信していきたいと思っています。
神戸の素晴らしい農水産物についてまだ知らない方が多いと思います。イスズベーカリーのパンを通じて「神戸にはこんなに美味しい食材があるんだ!」ということを知るきっかけになってほしいですね。

イスズベーカリー × farms and sea コラボ商品「KOBEなかよしサンド」
今回のプロジェクトで開発いただいたコラボ商品を「KOBEなかよしサンド」、名付けた経緯を教えてください。

まずは神戸の黒鯛(チヌ)を使うと提案された際、最初はパン作りにはあまり馴染みがない食材だと思いました。そこから海の食材を使うことを思案していくうちに、もともと知っていた須磨海苔に繋がりました。
神戸の畑でとれた野菜、そして海でとれた黒鯛と須磨海苔が合わさると、まさしく「神戸をまるごとぱくまるしよう!」という今回のテーマに合致して、非常に美味しいものができると思い、「KOBEなかよしサンド」という名前でサンドイッチを作ることになりました。
最初はなかなかいいネーミングが思いつかなかったのですが、色々お話を伺う中で神戸の黒鯛が養殖されている大切な海苔を食べるという食害のエピソードを耳にし、須磨海苔の生産者からは「チヌという言葉を出さんといてくれ!」と言われるほどで、被害の深刻さを感じました。
そこでなんとか黒鯛を美味しく食べていただきながら、須磨海苔の生産を保っていくという、海洋環境にとって良好な関係をこのサンドイッチで築きたいという願いから、「KOBEなかよしサンド」という名前をつけました。

「KOBEなかよしサンド」を開発する際に、味の面で特に工夫されたことはありますか?

黒鯛、海苔、野菜の3つの食材の味がバランスよく出せるように工夫しました。要となるのはそれぞれの食材の美味しさを繋ぎ合わせる役目のソースでした。味のバランスを保ちながらインパクトを与えるという面で、チーズソースの選定には少し苦労しました。試行錯誤して納得のいく商品が完成しました。

実際に販売してみて、お客様の反応はいかがでしょうか。

大変好評をいただいています!farms and seaの広報の一環で放送されたラジオを聞いたお客様が「KOBEなかよしサンドを買いに来ました」と言ってくださることもあります。非常に反響は大きいと感じています。この取り組みがきっかけで、市民の皆さんが地元食材の魅力や環境問題に対してより関心を持って頂ければ嬉しいです。

今回の「KOBEなかよしサンド」を始め、SDGsへの取り組みも熱心だと伺いました。事例をいくつか紹介してください。

イスズベーカリーで社を上げて取り組んでいるは「8.働きがいも経済成長も」と「12.つくる責任 つかう責任」の2つです。


画像出典:イスズベーカリー公式ウェブサイト

特に、パン屋としては環境のためにいかに「食品ロス」を少なくするかが大切だと考えています。完全にゼロにするということは売り切れの状態を長く続けることになるので、現実的になかなか難しいです。せっかくご来店いただいても商品が無ければ、お客様の期待を裏切ることになってしまいます。

そこで、残ったものをどう活用していくのかに着目しました。例えば、人気商品のラスクを販売しています。ラスクは翌日売れない食パンやフランスパンをしっかりと味付けをしてから乾燥焼きをする、そうすることで賞味期限を長くすることができます。食パンやフランスパンは多少余ったとしても食材として再生活用する道を作っています。

イスズベーカリーで販売中のラスク(左:焦しバターのラスク、右:ショコララスク)
画像出典:イスズベーカリー公式ウェブサイト

食品ロスを減らすためのアプリ「TABETE

さらに、急に天気が悪くなり売れ行きが鈍く多く余りそうだというような時は「TABETE」というアプリに出品します。アプリで告知することでそれを見てくださったユーザーの方が買いに来られることも多くあります。

ひょうご産業SDGs推進宣言事業登録証
画像出典:イスズベーカリー公式ウェブサイト

これからの新しい取り組みも検討しています。先日、農協の担当者から残ったパンを農作物の肥料や、牛や豚など畜産の飼料にするという提案をいただきました。廃棄量をできるだけ少なくして、そういった形で有効活用できるならと、現在話を進めているところです。

持続可能な環境をどう実現していくかということは、常に頭において活動しています。今後もこういう取り組みについて積極的に取り組んでいきたいと考えています。

イスズベーカリー
https://isuzu-bakery.jp/
https://www.instagram.com/isuzubakery/

 

farms and sea SDGs