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神戸食材の魅力発信
米×むすひ米プロジェクト

むすひ米プロジェクト

今回のテーマはお米。
稲穂の収穫時期を迎え、新米が食べられる季節になりました。

今回の舞台は北区淡河町。神戸の市街地より車で30分程の距離にありながら、豊かな自然に囲まれたのどかな農村風景が広がります。
この街の小さな田んぼで【むすひ米プロジェクト】が進められています。

【むすひ米プロジェクト】
1年を通して自然栽培のお米づくりを学べる女性向けのスクール。農業がしたい方や安心安全なお米が食べたい方、自分や大切な家族の健康を守りたい方に対して、それぞれのライフスタイルに合わせた隙間時間を活用したお米づくりのノウハウを伝え、普及させていくことが目的。
(提供画像)
2024年3月から始動したプロジェクト。


第1期の受講者は9名。

プロジェクトを立ち上げたメンバーのご紹介!


◇シェアスペース「結(ムスヒ)」(北区淡河)
https://www.instagram.com/ametsuchi_musuhi/
オーナー 岸本真海子さん(左)
食と健康の未来をつなぐ場として、空き家をリノベーションしシェアハウスを2024年5月にオープン。そして、お父様が営んでいた田んぼを今回のプロジェクトに活用。自然栽培プランナーのおおかどファームの大門さんを招いて、岸本さん自らも受講生となりお米の栽培を一から学ぶ。

◇おおかどファーム
https://www.instagram.com/ookado.farm/
https://www.instagram.com/chisato_ookado
大門知里さん(中央)
JAはくい認定、自然栽培地域プランナー
自然栽培稲作を約10年前から学び、現在は稲作農家2年目。「稲にとって、現代の今だからできるベストを探りたい」と自然栽培の面白さに正面から向き合う。

◇むすひ米プロジェクトのごはん担当
前川暁子さん(右)
人が楽しく元気に幸せに生きるには、何を食べるかはとっても大事。食べるものがどうやってできているか知りたくて、お米作りに関わる。

大門さんが自然栽培を取り入れる理由は、農薬や肥料を使わずにお米を育てることで、稲本来の力を引き出せると考えているから。そのためには、昔ながらの方法が理にかなっているのだと教えていただきました。


プロジェクトを始めた当初、メンバーの周りには、自然栽培でお米が育つのかと半信半疑ながらも応援してくれる方が多かったそうです。

そして待ちに待った稲刈りの日。

稲刈りをするということは、同時に来年に向けてスタートの日となります。

稲作には「苗半作(なえはんさく)」という言葉があり、苗づくりが一番繊細な作業で神経を使い、苗づくりで半分稲の品質や収穫量が決まると言われています。

6月の田植えから3カ月田んぼで育てた稲。来年もよい苗づくりを目指し、種取をおこなうための稲穂を収穫する大事な作業を最初に行いました。

稲を藁で硬く結ぶのはなかなか大変。大門さんや経験者がそれぞれ、レクチャーしながらみんなで作業を進めていきます。
人手が必要な田植えと稲刈りには、受講生の家族や友人も参加可能。


親子や友人同士での参加者たち。

中にはカメルーン出身の方も。

母国では、仕事の関係で畑に行くことは多くあったとのことですが、日本での稲刈りは初体験。

この田んぼ一面に育った稲穂を収穫していきます。

途中から稲刈り機の力も借りながら、一日がかりで2面あるうちの一つの田んぼの稲刈りが終了しました。

休憩の時間は、美味しい食事をみんなで食べます。

シェアスペース「結(ムスヒ)」には、北区淡河地区を中心に、竹林整備活動から竹の利活用をしている淡河バンブープロジェクトの1つとして食品加工部門があります。
この食品加工部門から昼食が提供されました。
おおかどファームのお米を使ったおにぎり、旬の食材たっぷりのおかずを田んぼの景色を見ながらいただました。

午後からは、収穫した稲穂を天日干しする稲架(はさ)を作っていきます。
竿は竹を使用。この竹は、バンブープロジェクトに協力いただき竹林から切り出しました。

木槌で叩いて稲木の脚を地面に打ち付けていきます。

稲木をバランスよく立てること、しっかり固定することを試行錯誤しながら実践。


現在では、乾燥機を使用することが主流ですが、むすひ米は天日干しを行います。天日と風でじっくり時間をかけてお米を乾燥させると、刈り取られた稲からお米に栄養分が送り込まれ、おいしさが増すと言われています。

(提供画像)
自然栽培で育てた「むすひ米」。品種は、コシヒカリの親にあたる品種の「農林22号」。稲の背丈が高く、肥料を使用すると倒れてしまうため、昔のように無肥料の自然栽培でないと育てるのが難しい品種です。
数日にわたる稲の収穫作業が完了しました!

取材日は夕方まで作業をしていたメンバーと記念撮影。
収穫したお米を食べられる日が待ち遠しいです。
稲藁は、脱穀後に畑に撒いたり焼いたりしていて活用方法が少ないことや、天日干しの工程も必要になるため稲藁として保管するのは手間がかかります。自然栽培を行う大門さんの稲藁は上質なものとして保管されていましたが、用途を見いだせないでいたところ、むすひ米プロジェクトの繋がりによって幅広く利用されるようになっています。

シェアハウス「結(ムスヒ)」で毎月行われるムスヒマルシェのワークショップで作成された【藁の包装の藁苞(わらつと)】
昔の人の知恵を現代に蘇らせます。

(画像引用:LOEWE FOUNDATION CRAFT PRIZE2024)
https://craftprize.loewe.com/ja/craftprize2024

新しい才能のために開催されるロエベ財団が主催する「CRAFT PRIZE 2024」のファイナリスト30作品に選ばれた作品にも、おおかどファームの上質な藁が使用されています。

作品名: 「Reminiscent Wind」
相良 育弥氏(株式会社くさかんむり)
https://kusa-kanmuri.jp/
https://www.instagram.com/ogo_kusakanmuri/

豊かな田んぼのある風景を未来にも


「秋から田植えまでが人間が大きく関われる時期で、田植えから後は稲を信じて見守るような感覚です」
と語る大門さん。

米作りの技術を継承し、これからの稲作、自然栽培が身近なものになるような活動を毎日妥協せず取り組まれています。

小面積での農薬、肥料、大型機械を使わないお米作りは、ハードルが低く女性でも取り組みやすい。「家族が食べられる1年分だけお米を作る」という家庭菜園の感覚で参加する人が増えたら一人ひとりの小さな田んぼから、今の社会問題になっている食料自給率の低さの改善や耕作放棄地の活用にも繋がるのではという信念を持って活動されています。その原動力は、豊かな田んぼのある風景を未来に残したいというシンプルな思い。

春先から、さまざまな工夫や苦労を経て収穫されたむすひ米。多くの人の元に届き、来年も再来年もプロジェクトによって縁が結ばれていくことを願っています。

次回のムスヒマルシェで、取材時に収穫したむすひ米が食べられます!
第3回目 ムスヒマルシェ
11月3日(日)開催!
https://www.instagram.com/p/DBWojAuzDsv/?img_index=1

おおかどファーム
https://www.instagram.com/ookado.farm/
シェアスペース結〜ムスヒ〜
https://www.instagram.com/ametsuchi_musuhi/
NEIGHBOR FOOD
https://www.instagram.com/neighborfood_kobe/
おうご食品加工室
https://www.instagram.com/ogo_food_base/
淡河バンブープロジェクト
https://www.instagram.com/ogo_bamboo_base